関数の定義と呼び出し
関数は、プログラムの一部をまとめて名前をつけたもので、プログラムの構造を整理するために重要な役割を果たします。この章では、関数の定義方法や呼び出し方、引数と戻り値の使い方などを学びます。また、モジュールという機能を使って、関数や変数をまとめて別のプログラムから利用する方法も紹介します。
関数の定義と呼び出し
関数は、一連の処理をひとまとめにし、再利用可能なコードを作成するための機能です。関数を使うことで、コードの構造を整理し、可読性や保守性を向上させることができます。
関数の定義
Pythonでは、defキーワードを使って関数を定義します。関数名は、アルファベット、数字、アンダースコア（_）を使って記述し、最初の文字はアルファベットかアンダースコアである必要があります。関数名の後には、括弧内に引数を記述し、コロン（:）で終わらせます。関数の本体は、インデントされたブロック内に記述します。
def my_function():
print("Hello, world!")引数と戻り値
関数は、引数を受け取り、returnキーワードを使って値を返すことができます。引数は、関数名の後の括弧内にカンマで区切って記述します。戻り値は、returnキーワードの後に記述します。
def add(a, b):
result = a + b
return result関数の呼び出し
関数を呼び出すには、関数名の後に括弧をつけて、必要な引数を渡します。関数が戻り値を返す場合、その値を変数に代入することができます。
# 引数なしの関数を呼び出す
my_function()# 引数ありの関数を呼び出し、戻り値を受け取る
sum_result = add(3, 4)
print(sum_result) # 7を出力引数と戻り値
関数は、一定の処理を行った後に結果を返すために、引数と戻り値を利用します。引数は、関数に渡される情報で、関数の動作を制御したり、処理に必要なデータを提供します。戻り値は、関数が実行された後に返される結果です。
引数
関数の引数は、関数名の後ろの括弧内にカンマで区切って記述します。引数は、関数内でローカル変数として扱われます。これにより、関数の外から引数の値を変更することはできません。
def greet(name):
print(f"Hello, {name}!")この例では、greet関数にnameという引数が定義されています。関数を呼び出す際に、nameに値を渡すことができます。
戻り値
関数が処理を終えた後に結果を返すために、returnキーワードを使って戻り値を指定します。return文が実行されると、関数はその時点で終了し、戻り値が呼び出し元に返されます。
def add(a, b):
result = a + b
return resultこの例では、add関数は引数aとbを受け取り、それらの和を計算してresultに格納し、最後にreturnキーワードでresultを戻り値として返します。
引数と戻り値の利用
関数を呼び出す際に、引数を渡し、戻り値を受け取ることができます。
# 引数を渡して関数を呼び出す
greet("Alice")
# 関数から戻り値を受け取る
sum_result = add(3, 4)
print(sum_result) # 7を出力引数と戻り値を使って、関数の動作を制御し、結果を返すことができます。これにより、コードの再利用性、可読性、保守性が向上します。関数の引数と戻り値を理解し、適切に活用することで、効果的なプログラムを構築できます。
標準モジュールの利用（例：math, random）
Pythonには、標準ライブラリと呼ばれる豊富なモジュールが用意されており、これらを利用することで簡単にさまざまな機能を実現できます。標準モジュールは、Pythonのインストール時に自動的に含まれているため、追加のインストール作業なしで利用することができます。ここでは、標準モジュールの中でも特に有用なmathモジュールとrandomモジュールの利用方法を紹介します。
mathモジュール
mathモジュールは、数学的な関数や定数を提供します。例えば、平方根、三角関数、指数関数などが含まれます。mathモジュールを使うには、まずimportキーワードを使ってモジュールをインポートします。
import math
mathモジュールの関数を使うには、モジュール名と関数名をドット（.）でつなげて記述します。例えば、平方根を計算するsqrt関数は以下のように使います。
import math
result = math.sqrt(16)
print(result) # 4.0を出力randomモジュール
randomモジュールは、乱数を生成するための関数を提供します。randomモジュールも、importキーワードを使ってインポートします。
randomモジュールには、様々な乱数生成関数が用意されています。例えば、0以上1未満の浮動小数点数を生成するrandom関数や、指定した範囲の整数をランダムに生成するrandint関数があります。
import random
float_random = random.random()
print(float_random) # 0以上1未満の浮動小数点数を出力
int_random = random.randint(1, 6)
print(int_random) # 1から6までの整数をランダムに出力標準モジュールの利用により、Pythonで様々な機能を簡単に実現できます。mathモジュールやrandomモジュールは、数学や確率の処理に特化しているため、これらを活用することで効率的なプログラムを作成することができます。